日記

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さつまどりサブレについて

 わが故郷鹿児島の誇る銘菓であり、かさばらず、そこそこ日持ちもし、一個ずつ包装されていて、お手頃価格。お土産になるために産まれてきたような特徴を備えている。だが1番のセールスポイントは、その美味しさ。何をどう作っているのかは知らないが、あの独特の風味。

 もっと有名どころなサブレは全国にあると思うが、味わい風味において、良い意味でのあれほどの個性を作り出せているものを、私は知らない。

 ただしぼーっと食していると、その味わいに気づかないかもしれない。辿り着いた高みは他の数多のライバル達の延長線上、少し先にあるにすぎず、突出はしていない。みんなが真面目に食べてくれると分かっていただけるんだろうが、そこまでの名物としてのオーラも放っていない。すでに30年以上作られているお菓子であるものの、常に脇役で、目を引く存在ではなく、売ってる側もそんなに推してこない。

 また口当たりについては凡百にも劣る。伝統的な製法で作っている印象で、サクサク感はあまりない。味わいに全振りの、潔ぎの良さを持つ。甘味が強く黒糖と相性が良いように思える。

 ともあれ風月堂のさつまどりサブレ。ぜったいに美味しいと思う。軽羹より、日持ちもします。別に何の関係もない者ですが、ぜひ一度お試しいただけると嬉しく思います。