日記

日記です

違和感

 駅は出会いと、別れの場所。

今日も色んな人々が出会い、喜び、別れ、寂しさが募り、1人または複数で、後にする。なかでもやはり、別れはクライマックスの場面。

 そんな中を私は毎日通勤しているので、時折そんな方々の名場面を、小耳に挟んでしまいます。

 今日も遅くまで仕事になってしまい、ちょうど良いタイミングでもあったので、いっそのこと特急で帰ってしまおうと切符の券売機に向かうと、カップルが切符を買っていたので後ろに並んで待ちました。すると、男が女に「気をつけて帰るんだよ」と言っていました。抑揚のない、宇宙人っぽい言い方だったので、「キヲツケテカエルンダヨ」と、聞こえました。  

 トーンのせいもあったと思うのですが、この一言が悪い意味でめちゃくちゃ引っかかりました。まず、何に気をつければいいのか分からない。間違いなく電車で帰るんだから、事故る時はどっちみち事故ると思います。いくら気をつけても無力なはずです。ちなみに19時半ぐらいの出来事なので、もし電車を降りてからそこそこの時間移動しなければならない場所に彼女が住んでいるのならば、もっと早く帰らせてあげるべきです。キヲツケテ、と言う資格がない。

 そして、カエルンダヨ。何なのこの言葉。普通に考えて、こんな言い方になるか?これは間違いなく、半端者の言葉。

 気をつけてな!的に陽に行くこともできず、考え抜いたコメントもできなかったけど、何となく印象を与えたいと考えた結果たどり着いた、安直の極み。大事な場面で、自分たちのノリに頼るマンネリの美学。「帰るんだよ」の「る」が、私の頭の中で何重にも渦を巻き、こびりついて剥がれません。気持ちが悪い。

 何もないなら、無言でいろ。