日記

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営業やってた頃の話③

 やっと配属されたのは小さな中古車展示場だった。事務員なし、男の営業3人で自分がダントツで1番年下。経験値も圧倒的に下。始めはだいぶビビってたけど、案外良い人たちだったので割と楽しくやっていけた。ただあまり仕事は教えてもらえなかった。最低限の事務仕事は簡単に説明してくれたが、例えば、お客さんが来て、どんな事を聞き出せばいいのかとか、振る舞いとか、技術的な事は何もレクチャーは無かった。たぶん、この人たちも教えてもらうという、プロセスは無かったんだと思う。世の中ものを教えてくれる人って少ないんだなと思った。

 月ごとにノルマがあった。何台売ったかがまず1番重要で、その次が粗利益。それ以外にもいろいろあったがさほど重要でなく、その2つだけやってればOKだったが、めったに達成できなかった。

 何だかこの仕事について履き違えてた。面白いとか、かっこいいとか思われれば売れるものだと本気で考えていた。全くの間違いではないと思うがもっと重要な事、小さな約束でも全力で守るとか、信頼を得るために頑張るとか、そういったことが1番大切なことで、そこから広がっていく仕事だということに、当時気づけなかった事を、今でも後悔している。軽薄な接客をしてたと思う。

 自分の部署は他の部署からあまり良く思われていないようで、全員ではないが、自分と同様にルーズで、きっちりできない人が集まっているようだった。どうりで何だか居心地がよかった訳だ。そんな訳で、もともとあまり良い印象でなかったのに、他の支店のお客さんに売ってその支店や担当の営業に連絡しなかったうえにアフターフォローもろくにやらずにそのお客さんを激怒させたり、社内紹介制度の申請がよくわからなかったので放置して、紹介してくれた配送のドライバーに紹介料が払われなかったり、そんなに頻繁にではなかったけどちょくちょく不義理なことをやって社内にうしろめたい人を着々と増やしていった。

 どう考えてもいい仕事ができない環境を、自分で作り上げていっていた。